Fujitsu Research Portalをご存じでしょうか?
portal.research.global.fujitsu.com
富士通の先進技術を、様々な用途で、いち早くお試しいただく環境として、技術コンポーネントのAPIやWebアプリケーションを無償で公開しています。
製品の無料評価などはありますが、日本企業で、このような先端技術を体験できる取り組みはまだまだ珍しいのではないでしょうか。
Fujitsu Reseach Portalで試すには
アカウント作成
個人情報取り扱い
個人情報を適切に取り扱う(他に流通させない)旨の内容に合意します。
アカウントの種類の選択
法人利用の場合、事前にPoc IDの払い出しが必要ですが、富士通と企業通しの連携を正式に進めている場合以外は、業務のための調査のような場合も含め、「個人利用」でアカウント登録します。
サインアップを選択
富士通の従業員の場合は、SSOでサインインできるようですが、社外利用者の場合は[サインアップ]を選択します。
確認コード送信
メールアドレスを入力して、[確認コードを送信]して、メールアドレスが正しいかを確認します。
入力するとメールが送信されますので、メールの内容を確認します。
メールに記載されたコードを入力します。
アカウント名などの入力
アカウント名、パスワード、氏名を入力してアカウントを作成します。
電話番号認証
本人確認という意味でSMSによる確認を行うので、スマホの電話番号の先頭の0を除いて入力します。このSMSによる本人認証はアカウント登録時以外も随時実施されます。
スマホのSMSに届いたコードを入力します。
作成完了
無事にアカウントが作成できたら自動的にログインが行わて、ポータルのヘッダが変化します。
デモやAPIが試せるもの一覧(2024/09/30現在)
ポータルの内容は日々拡充されています。
動画で詳細を知ることができるものもだけではなく、WebアプリやAPIを試せるものを数を多くあります。
ポータルを見ると、5つの分類(AI、Data & Security、Converging Technologies、Computing、Network)ごとにまとまっていますが、これは、「Fujitsu Technology and Service Vision | 富士通」 に書かれている5つの重点技術領域に相当します。
AI Fujitsu Kozuchi (R&D)
Fujitsu Kozuchiは、富士通が研究開発した先端AI技術です。公開されている研究開発版の技術をWebアプリやAPIで試せるものとしては次のようなものがあります。
Data & Security
富士通では、次世代インターネットや生成AIの普及に伴う新たなデータ流通・活用技術と、その裏に潜む様々な脅威やリスクに対応できる先進セキュリティ技術の研究開発を行っており、WebアプリやAPIで試せるものとしては次のようなものがあります。
Converging Technologies
富士通は、デジタル技術と人文科学の知見を融合し、物理とデジタルの境界がない世界における社会的課題の解決を目指しており、デジタルツインとして、WebアプリやAPIで試せるものとしては次のようなものがあります。
- シェアドモビリティ最適配置 [WebApp][API]
お試しお勧め(その1):対話型生成AI [WebApp]
思った以上に様々なWebアプリが公開されていてどれから試そうか迷いますよね。
そんなときにお勧めなお試しWebアプリが「対話型生成AI」です。
documents.research.global.fujitsu.com
利用できるAIモデルは、GPT-3.5、GPT-4o、Claude Instant、Fugaku-LLM(CPU版)となっています(2024/09/30現在)。
特徴的な機能
生成系AIを使った他のチャットボットと比較して特徴的なのは「ハルシネーション」検出機能がある点です。
ハルシネーションとは、幻覚とも日本語訳される生成系AIでは避けて通れない、「データに基づかないもっともらしい誤り」のことです。
想像力豊かな回答をするAIだなーともポジティブに捉えることもできるのですが、それが「想像力豊か」なのか「現実なのか」の判断は、ひとえに回答をもらった人の経験値によって差が出てしまうので、「想像力豊かなのですが」と断りをいれて回答をしめしてくれるのは助かりますね。
早速使ってみよう
「対話型生成AI」ページの一番下に「技術のお試しはこちら」というボタンがあるので、一番下までページをスクロールしてボタンをクリックしましょう。
これ、左サイドメニューに「お試し」ってメニューつけてほしいところですね。
「技術のお試しはこちら」ボタンを押すと次のような画面が表示されます。
アプリを試す
利用規約に同意すると「技術を試す」という表記が「アプリを試す」に変わります。
login
ログイン画面が表示されたら[login]をクリックします。
Create New Chat
ログイン直後の画面は次のようになっています。
[Create New Chat]をクリックした新しいチャットを開始します。
チャット開始時にはチャットのスタイルを選択します。
- Chat name:チャット名を指定
- Flow:シンプルチャットなのか、ドキュメントを参照してのチャットなのかを選択します。
- Retriever:ドキュメント管理機能で登録したドキュメントを指定します。
- Model:モデルを選択します。
[Create]ボタンをクリックすると新しいチャットセッションが開始されます。
対話型生成AIを試そう
GPT-4oを使って、Fugaku-LLMで動作させて、FUJITSU-MONAKAでARM版Windowsが動くか聞いてみましょう。
ARM版Windowsをサポートしているという情報は現時点ではないと教えてもらいました。また、デスクトップOSを動作させることを前提としていないということも回答しています。
「ハルシネーション」検出機能を試してみよう
それではこの回答について、「ハルシネーション」検出機能を使って、どれくらい信用してよいかを確認してみましょう。
確認は簡単で回答にある縦マークをクリックします。
結果は次のように、回答の主張は正当であり他の意見とも一致しているため「ハルシネーションスコア」は0となっています。これが100に近ければ近いほど「ハルシネーション」が含まれていることになります。
その他のお勧め
APIが公開されている「Fujitsu AutoML」「ConnectionChain」「シェアドモビリティ最適配置」なども試したいところです。
次回の投稿では、APIで試せるものをとりあげる予定です。
世の中の動向
AIは不思議なもので、説明を聞いてみても理解はしても肌感覚として理解するためには、実際に問題をそのAIで解決してみるというStepが非常に重要です。
そのことを理解しているAzureやAWSなど、クラウド上でAIサービスを展開している海外ベンダーは、AIを手軽に試せる仕組みを用意しています。
また、製品化前のものも積極的に試せるような情報発信に力を入れています。
このような施策により、AIを使った時の第一印象から「面倒」「大変」のようなネガティブ要素を排除して、「これはすごい」ということが強く残るようになっています。
「初見から気に入りました!」
数ある中から自社AIを選んでもらうためには、または、そのときは選ばなくても、何かあったときに再見してもらうためには、このような印象が重要なのではないでしょうか。
おわりに
今回ご紹介した取り組みは、パーパス(社会における企業の存在意義)として「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」を掲げる富士通らしい取り組みといえるでしょう。
www.fujitsu.com
利用するのに住所などは不要なので、気軽に試すことができます。
この機会に登録だけでもしておくとよいのではないでしょうか。