Windows Azure SDKが1.8から2.0に上がりました。
http://www.microsoft.com/ja-jp/download/details.aspx?id=38797
ちゃんと、ja-jpファイルもあるのでいきなり日本語版がいられますよ。素晴らしい。
大きな変更点としてはターゲットとなる.NET Frameworkが4.0になった点でしょうか。
また、対象となるVisual Studioは、Visual Studio 2010 SP1とVisual Studio 2012となります。もちろんExpressでもOKです。
Windows Azure SDK for .NET 2.0はSideBySideが効くそうなのでSDK 1.8と共存はできるそうです。
インストール済のプログラムの赤枠で囲ったのがSDK 1.8なので「いやー、2.0オンリーでいきたいよね」というようなときはこれらを削除してからいれるといいでしょう。
インストール方法ですが、「http://www.microsoft.com/ja-jp/download/details.aspx?id=38797」でファイルを個別にダウンロードしてインストールもできますが、ファイルも多いのでWeb Platform Installer (Web PI)を使ったほうがいいと思います。
私も一時期はWeb PIじゃなくて個別にファイルダウンロードしてインストールした方が..と思っていた時期もありましたがインターネットにつながった環境があるならWeb PIの方が確実だと思います。
Web PIによるインストール
Web PIはそれ自体は汎用アプリなので、すでにWeb PIがインストールされていればそれを起動すれば今回のWindows Azure SDK for .NET 2.0もインストール可能です。
「Windows Azure SDK for .NET (VS2012) ? 2.0」を追加してからインストールを開始するとちゃんとJPNなリソースもインストール対象になっています。
すばらしい。
インストール後の「プログラムと機能」の一覧をみると削除したSDK 1.8と同じプログラムの2.0版がインストールされています。
なお、あくまでも明示的にSDK 1.8を削除したので削除しないときは同じ名前の1.8版と2.0版が一覧に表示されます。
Visual Studio 2012もVisual Studio 2010ももっていないときは
両方ないのに2010を選択する理由はまったくないので「Visual Studio Express 2012 for Web with Windows Azure SDK ? 2.0」をインストールしましょう。
そうすると、SDK以外に無償版のVisual StudioであるVisual Studio Express 2012がインストールできます。
Visual Studio 2012 サーバーエクスプローラーの設定
Windows Azure SDK for .NET 2.0を入れたVisual Studio 2012のサーバーエクスプローラーには
- Windows Azure Service Bus
- Windows Azure Web サイト
- Windows Azure コンピューティング
- Windows Azure ストレージ
- Windows Azure 仮想マシン
のノードが追加されます。
Windows Azure Service Busに接続
Windows Azure Service Busは、Azure側からの接続を可能にする機能です。例えば、Azureから社内サーバーのOracle Databaseに接続するような仕組みをつくることができます。
使用方法としては、Windows Azure Service Busを使ってAzure側に接続先用のエンドポイントを定義します。接続先なのにエンドポイントというのもちょっと分かりづらいのですが、相手先登録と考えてみると良いでしょう。
この設定を行っておけば、Azure上のアプリからエンドポイントを通してAzure外のアプリに接続ができるようになる訳です。もちろんエンドポイントを公開して、Azure外からエンドポイントにつなぎAzure外の別のアプリにつなぐようなリレー接続も可能になります。
このような事が実現できると、専用線接続やVPNなどの複雑な定義に手間取ることなくさくっと拠点間連携などが可能になります。
Visual StudioからWindows Azure Service Busに接続するには、最初にサーバーエクスプローラで[Windows Azure Service Bus]ノードを左クリックして[新しい接続の追加]メニューを選んで[接続の追加]ダイアログを表示して設定を行います。
手動で行う方法もありますが、お勧めは「発行設定ファイル」をインポートして設定する方法です。設定するのに必要な情報を把握していないときなどはもうこれがいいです。
事前にブラウザでAzure管理ポータルに接続しておいて(しておかないでもいいですが、しておくとすごく楽)、ダイアログの「発行設定のダウンロード」リンクをクリックするとブラウザにダウンロード用のページが表示されます。
保存ボタンを押して発行設定ファイルをダウンロードしたらダイアログに戻って[インポート]ボタンをクリックしてダウンロードしたファイルを指定するとサブスクリプションのドロップダウンリストに該当のサブスクリプションが表示されます。もし、複数サブスクリプションを契約しているときにはここでサブスクリプションの切り替えもできます。
なお、このダイアログを表示してからService Busの設定を行っていないことに気付いたときには、Azure管理ポータルでService Busの設定を行ってからダイアログを開きなおしてください。
そうすれば[名前空間の名前]ダイアログの選択候補にAzure管理ポータルで設定した名前が表示されて接続文字列にも必要な情報がプレビューされます。
設定が終われば、Windows Azure Service Busノードに情報が追加されます。
Windows Azure Webサイトに接続
Windows Azure Webサイトは、クラウド型ホスティングのようなものでWebサイトを無料で10個まで作成できるサービスです。
Azure Webサイトのアプリケーションギャラリーには様々なWebアプリが用意されていますので独自アプリだけではなく、ギャラリーからアプリを選んでWebサイトを作成することも簡単にdけいます。
また、Webサイトは10個までは無料作成できますので普段使いのサイトを作成するのにも向いています。
Visual StudioでWindows Azure Webサイトに接続するには、最初にサーバーエクスプローラで[Windows Azure Webサイト]ノードを左クリックして[サブスクリプションのインポート]メニューを選んでダイアログから「発行設定ファイル」をインポートします。もちろん、発行設定ファイル自体はService Busで使用したものと同一なのでService Busノードの設定時にインポートしているものをインポートできます。
ファイルの名称的には「発行設定ファイル」なのですがダイアログには「サブスクリプションファイルのダウンロード」とあるので非常に分かりづらいです。
このあたりは早めに用語の統一(発行設定ファイルのダウンロード)を行ってほしいところです。
発行設定ファイルを指定してサブスクリプションをインポートすればサーバーエクスプローラーにはそのサブスクリプションがもっているWebサイトの一覧が追加されます。
Webサイト名をクリックすれば構成ダイアログが表示されてAzure管理ポータルを使わなくてもVisual Studioで様々な設定が可能になります。
Windows Azure コンピューティングに接続
Windows Azure コンピューティングは、WebロールやWorkerロールなどWindows Azureの初期のころからあったASP.NETアプリを配置するサービスです。以前は「計算」という翻訳しすぎな表示だったような気もしますが、SDK 2.0では「コンピューティング」と正しい翻訳がされています。
Visual StudioでWindows Azureコンピューティングに接続するには、最初にサーバーエクスプローラで[Windows Azure コンピューティング]ノードを左クリックして[配置環境の追加]メニューを選んでダイアログから「発行設定ファイル」をインポートします。
この発行設定ファイルも他の設定と同じなので、他で設定していれば再度インポートする必要はありません。
配置環境は「Staging(ステージング)」と「Production(プロダクション)」と別々に管理しているので、同じコンピューティングサービスでも別々に追加作業が必要です。
サーバーエクスプローラーにWindows Azure コンピューティングの配置環境を登録しておくと、インスタンスを指定してリモートデスクトップで接続することが可能になります。
以前はいろいろ設定が必要だったと思いますが、SDK 2.0からは簡単にリモートデスクトップで接続できます。
Windows Azure ストレージに接続
Windows Azure ストレージは、BLOB、キュー、テーブル(KVS)などの構造が提供されているデータ格納領域サービスです。
WebロールやWorkerロールなどWindows Azureの初期のころからあったASP.NETアプリを配置するサービスです。以前は「計算」という翻訳しすぎな表示だったような気もしますが、SDK 2.0では「コンピューティング」と正しい翻訳がされています。
Visual StudioでWindows Azureコンピューティングに接続するには、最初にサーバーエクスプローラで[Windows Azure コンピューティング]ノードを左クリックして[配置環境の追加]メニューを選んでダイアログから「発行設定ファイル」をインポートします。
この発行設定ファイルも他の設定と同じなので、他で設定していれば再度インポートする必要はありません。
追加が終われば、そのアカウントで利用しているBLOB、キュー、テーブルが管理できます。
もちろんストレージの中の編集なども行えます。
Windows Azure Webサイトに接続
Windows Azure Webサイトは、クラウド型ホスティングのようなものでWebサイトを無料で10個まで作成できるサービスです。
Visual StudioでWindows Azure Webサイトに接続するには、最初にサーバーエクスプローラで[Windows Azure 仮想マシン]ノードを左クリックして[サブスクリプションのインポート]メニューを選んでダイアログから「発行設定ファイル」をインポートします。もちろん、発行設定ファイル自体は他で使用したものと同一なのでダウンロード済のファイルををインポートできます。
今回もファイルの名称的には「発行設定ファイル」なのですがダイアログには「サブスクリプションファイルのダウンロード」とあるので非常に分かりづらいです。
追加が終われば、そのアカウントで利用している仮想マシン名の一覧が表示されます。
仮想マシン名(その下のRemoteDesktopではなく)を右クリックしてリモートデスクトップ接続を行うことが可能です。
以上、ざっとSDK 2.0をみてきましたが以前と比べると本当に設定が簡単になり、またリモートデスクトップ接続が簡単にできるという印象がありました。
これは乗り換えるしかないですね。