Team Foundation ServiceはWindows AzureベースのALM(アプリケーションライフサイクルマネージメント)ソフトです。
現在、Preview版が公開されています。
このPreview版はTeam Foundation Server “11”がベースになっています。
Visual Studio 2010から接続する場合、KB2662296の適用が必要です。適用せずにVisual Studioの[チーム]-[Team Foundation Serverの接続]でTeam Fondation Service Previewへ接続しようとしてもエラーが発生します。
KB2662296の適用
ダウンロード元:「Visual Studio 2010 SP1 Team Foundation Server 11 Compatibility GDR - 日本語」=KB2662296
KB2662296は、Visual Studio 2010とTeam Foundation Server 2010 Object Modelを更新します。
Visual Studio 2010からの接続
Visual Studioの[チーム]-[Team Foundation Serverの接続]メニューを選択します。
[チームプロジェクトへ接続]ダイアログで[サーバー]ボタンをクリックします。
[Team Foundation Serverの追加]ダイアログでTeam Foundation ServiceのURLを入力して[OK]をクリックします。
登録が完了して[チームプロジェクトへ接続]ダイアログに戻ってきたら[Team Foundation Serverの選択]ドロップダウンリストでTeam Foundation Serviceを選択します。
さらにチームプロジェクトコレクションとして「DefaultCollection」を選択して[接続]ボタンをクリックすればTeam Foundation Servieとの接続が完了します。
WebUIで状態を確認
Team Foundation ServiceはクラウドですからWeb UIにて色々な管理ができます。
Visual Studio側で接続したDefaultCollectionがどのようにみえるかといえば次のように見えます。
プロセステンプレート
TFS(ServerもServiceも)はバージョン管理ツールではなくALMツールです。そのため「プロセス」という概念があり、プロセスの流れを規定するためにチームプロジェクトに対して「プロセステンプレート」を適用して全体の流れを規定します。
プロセステンプレートの管理はプロセステンプレートマネージャーで行います。
TFS標準としては
- Microsoft Visual Studio Scrum 2.0
- MSF for Agile Softwore Development 6.0
- MSF for CMMI Process Improvement 6.0
が付属してますが、標準以外のプロセステンプレートも適用可能です。
もし自社の開発プロセスがあるのならば、TFSのプロセステンプレートを用意してみてはいかがでしょうか。標準化手順書やExcelシート、独自ツールを使うよりもTFSのプロセステンプレートにすることによってVisual Studioとの親和性も高くなるし、そもそもツール自身のメンテナンス工数も圧縮できます。
また、Team Foundation Serviceのようにパブリッククラウド化や、最近のMicrosoftの動向を見るとOSSとの連携もすすんでくると思います。何よりもバラバラのツールを使ってALMするよりもALMにフォーカスしたTFSを使う事で得られるメリットも多いと思います。
新しいTeam Projectを作る
Team Foundation Service Previewとの接続が確認できたらWeb UI側で[Create New Team Project]を行います。
プロジェクトが作成できると「Team Azure」チームプロジェクトのポータルが選択できるようになります。トップ画面にバーンダウンチャートとか表示されていると胸熱になりますね。
もちろん、作成したチームプロジェクトはVisual Studioからも確認ができます。
方法は[チームプロジェクトへ接続]ダイアログでチームプロジェクトに先ほど作成した「Team Azure」を選択してから[接続]ボタンをクリックしてください。
接続が完了すればVisual Studioの[チームエクスプローラー]にTeam Foundation Serviceの接続先が表示されます。
チームエクスプローラーをみると分かるようにTFSがバージョン管理ツールであるVSS(Visual Source safe)の単なる置き換えではなく、ソース管理以外にも作業項目やビルドなどALMに必要な機能が含まれているという一端が見て取れます。
Visual Studioのバージョン管理プラグインにTFSを指定する
これでTeam Foundation Serviceを使う準備はほぼできたのですが、VSSをインストールしたときのようなバージョン管理関係のメニューがVisual Studioにでてきません。そのためにはあと1つだけ設定が必要です。
Visual Studioの[ツール]-[オプション]で[現在のソース管理プラグイン]ドロップダウンリストの選択値を「Visual Studio Team Foundation Server」に設定してください。
ソース管理プラグインを「Visual Studio Team Foundation Server」にすると設定項目として[環境]、[Visual Studio Team Foundation Server]が追加されますが、こちらの設定値は規定値のままでも特に問題はありません。使い勝手など必要に応じて設定しましょう。
Team Foundation Serviceにソリューションを登録する
TFSをソース管理プラグインに設定すれば、ソリューションエクスプローラーなどに[ソース管理に追加]メニューが増えます。
ここで[チェックイン]します。
チェックインが完了すればソリューションエクスプローラで各ファイルに鍵アイコンがつきます。
ソリューションエクスプローラでファイルを右クリックしたときに表示されるメニューにもソース管理関連の項目が増えています。
それではTeam Foundation ServiceのWeb UIではどのようにみえるか確認してみましょう。
Team Azureの下に「WindowsAzureProject4」ソリューションが格納されています。
以上で、Visual StudioとTeam Foundation Serviceの基本的な連携は完了です。あとはVSSと同じようにチェックアウトして作業が終わったらチェックインという流れで使うことになります。
まとめ
- Team Foundation Service PreviewはTeam Foundation Server 2012ベース
- チームプロジェクトコレクション → (複数の)チームプロジェクト → (複数の)Visual Studioソリューション
- プロセスは、チームプロジェクトコレクションでプロセステンプレートを使ってチームプロジェクトごとに設定
- セキュリティ(利用者管理)は、チームプロジェクトコレクションでもチームプロジェクトでも設定できる
- ソース管理プラグインを使ってVisual Studioのソース管理をTFSでシームレスに管理できる