2015/05/16(土)に、CLR/HさんやWindows女子部さんと一緒に開催した「Meets IT and AED」の振り返りエントリになります。
当日は、キーノート→CPR実習→グループディスカッション→AED実習→LT大会→ハンズオン→技術セッションという流れで進行しました。
首謀者3人で何度も長さや順番を試行錯誤しただけあって、この流れすごく良かったと思います。
それでは順番に振り返ってみます。
1)キーノート
- キーノートでは主に次の点をお話してAEDを取り巻く現状を共有できることを心がけました。
- 一般の人がAED使えるようになってから10年
- 国内40万台以上、一般の人が使えるのも20万台以上、だけど単品管理できてないので約数しか分からない。
- どこにあるかの届出も必須じゃない
また、AEDオープンデータプラットフォームについても現況を報告。
- AEDの使用率は881/23797=3.7%。でもこれは目撃者があるときの使用率。心停止者全体からみたら881/73023=1.2%。
- AEDオープンデータプラットフォームは、網羅率15.6%、市町村区カバー率26%
- 最新状況で、310~2000/時間くらいの利用率。リソース負荷は5~10%。
- ほぼ課金なしで運用している。実際、82円/日くらいの課金→無償利用枠で課金なし。
参加者にIT関係者/開発者が多かったからか、DBの論理破壊や物理破壊からバックアップ使ってリカバリーする試験もしているというところで一番反応あったのが印象的でした。
2)CPR実習
さて本日のメインとも言えるCPR実習です。
CPR実習、つまり、胸骨圧迫を含んだ心肺蘇生法(CardioPulmonary Resuscitation)実習ですね。
リトルアン使って、実際に1分間に100回のPushを行う。これ実際に体験してみるとすごく体力使うし、普段、どうすれば力を伝えることができるのかとか運動してないとうまくできないんです。
両手を合わせて肩と腕で▽を作って真上から押す!
この体験があるからこそ、CPRの局面でITがどういう力添えができるのか見えてきた参加者も多かったと思います。
私も何か月かぶりにやってみましたが、体が覚えていてくれたので指導員の方に褒められましたw
3)グループディスカッション
「CPRやAEDのUX」「使用率はどうすれば上がる?」といった点についてのグループディスカッションを行いました。
通常、日本でのグループディスカッションって意見があまりでなかったり、取り組む人とそこにいるだけの人っぽくなってしまうこともありがちなのですが、今回は皆さんすごく意見がでていてグループ発表も面白かったです。
グループ発表
- AEDを知ってもらうためには、萌えキャラ展開がいいんじゃないか。
- 消火器と同じように練習つまないと→消防訓練のときに必ずAEDの練習も入れる
- UXとしての萌えキャラ。CPRがんばっていると応援してくれる
- AEDが探せる&AEDが使えるの2つが揃って初めて人が助けられる
- なぜ使用率が低いか(使い方を知らない、AEDを使うかどうかの判断ができない、使ってはいけないという雰囲気がある、場所が分からない)
- コンビニに設置する
- AEDの使い方を学ぶために、館で次々に人が心配停止してAEDで助けていくゲーム
- ingressと絡めてAEDの存在チェックができたらいいじゃないか?
- そもそも「緊急時以外使用禁止」って表示はどうなの?
- 製造番号とかそういったものが外から見えないとか変だよね
- Beacon使って位置をスマホに知らせてそこからAEDオープンデータにPINGしたら?
グループ発表に対して、コンビニ設置は場所がすぐに思い浮かぶし、コンビニの設置戦略とAEDの設置目標(300mごとに)は近いものがあり取り組みをしている自治体もあることをフィードバックしました。
4)AED実習
AED実習では、胸骨圧迫の交代とかも含めて実際に実習用AEDを使って実施。
大人用パッドだけだったときに子供にはどう使うかとかも含めて実践的な内容で体験して頂きました。
迷ったらAEDをつけてAEDに聞く!だからAEDを素早く現場に運ぶ
という意識が芽生えてくれたのではないでしょうか。
5)LT
おやつ食べながらLT。実際はこの写真のいちご大福は午前中に食べてしまったので、また別のおやつを食べました(次の準備で写真撮ってなかったですw)
6)ハンズオン
AEDオープンデータAPIをJavaScriptから使うハンズオンを開催しました。
まずは全県の公共機関と民間を網羅している千葉県さんを表示。もう千葉県の形にAEDが広がっているのに驚嘆しちゃいますね。
続いて北海道。まだまだデータ投入が少なくぽつーんと。
目指せ千葉県ですね。
7)技術セッション
最後は、AED検索のクラウド側とデバイス側についてのセッションを実施しました。
クラウド側であるAEDオープンデータプラットフォームはRESTfulを実現しているが更新系はまだ未公開、でも更新系のアプリ作ってくれる人には公開するよというお話をさせていただきました。
クライアント側は、まだストアにあげていないXamarin.Androidを使ったAndroid版AED検索も実際に体験してもらいました。
Windows版は、Windows 10とWindows 10 MobileでWindows8版のUniversal Windows Appを体験して頂き、ちょっと未来の操作感を感じて頂けたのではないかと思います。
10年かけて年間881人の命を救えるようにまでなったAED。今後、CPRをより多くの人が実践するようになったり、AED使用率をさらに上がるためにIT技術者や開発者ができる事は多いのではないかと考える種を蒔けたのではないかと思います。
そして、今回参加した方は、目の前で人が倒れたときに一次救護者になったり積極的に協力したりできるようになったんじゃないかと感じました。